実践的なネットワークの知識を学びたい:Head First ネットワーク
これまでちょぼちょぼとWeb上のサービスを作ったりはしたものの、ルーターやスイッチやハブ、配線にDNSの設定など、アプリケーションを動作させるためのネットワーク環境のセットアップについてはもっぱら人任せだった。この辺りのことを今自分でやると考えるとなんともおぼつかない。知識として知っていても実践してきていないので、手足を動かすレベルでどういうアクションが要求されるのかがクリアではない。
それで一度学び直そうと思い、なんかいい本でもないかと探してみると、O'ReillyのHead Firstシリーズにこんなものがあった。
Head Firstネットワーク ―頭とからだで覚えるネットワークの基本
- 作者: Al Anderson,Ryan Benedetti,木下哲也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2010/02/27
- メディア: 大型本
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この本は章ごとにシチュエーションが設定されていて、そこで発生した問題を解決しながらネットワークについて学ぶという構成になっている。最初の章は、航空会社のチケット予約システムが動かない、ケーブルが破損しているようだ、という状況で、ケーブルの種類と構造、修理方法について学ぶ。
その後もケーブルを通す場所の注意点、ケーブルの問題点を特定するための測定機器の紹介とその使い方と、ネットワークのハードウェアについての章が続く。4章になってネットワークカードとそれがやり取りする信号の中身の話に移行する。
この本で気に入っているのは、本に書かれてあることを読者が自分で試せるレベルで書かれていることだ。パケットの話になるとWiresharkが登場し、ルータの話になるとCiscoのルータのコンソール画面が出てくる。ルーティングの話ではpingやtracerouteコマンドが登場する。
あと、これはこの本に限らずHead Firstシリーズの売りなんだけども、読者が入り込めるように工夫している。写真や図を多様しているのもそうだが、淡々と論理的に構成された説明が続くのではなく、
- 問題を提示する
- 読者に解決方法などを思いつくだけ列挙してもらう
- 新しい知識を導入する
- 知識の使った練習問題を提示する
- FAQで捕捉をする
という内容を1つのパッケージとして、話を展開しつつ学習を埋め込んでいる。
学習に「ごっこ遊び」とか「ロールプレイング」の要素が取り込まれているとでも言えばいいのかな。
教材がこっちの方向に発展する先は疑似体験を提供するビデオゲームなのかな。