英語で中国語を学ぶ

英語をやり直し始めて二年弱になる。この間、言語を学ぶにはどういうやり方がよいのか考えることが多かった。しかし、いろいろ考えてみたところで実際の学習で試してみないと永遠に妄想の域を脱しない。だったら試せばいいじゃないかと思うのだが、英語についてはすでにいろいろ学んでいるので学習の効果を実感しにくい。

だったら新たに言語を学んで試せばいいじゃないか!

そんな単純な思いつきで学びはじめた。中国語を。

中国語を選んだのに理由があるとすれば、これまでに遭遇してきた外国人で中国人の割合が多かったとか、中国はこのところめっちゃ発展してるから中国語を学んでおけばいいことあるかもね、だとか、まあ、そんなところだ。ほかにフランス語、アラビア語、スペイン語を候補に挙げて、フランス語とアラビア語については初心者向け教材も購入してちょっとは試した。その中で中国語を選んだのは、それがいちばん面白かったからだ。フランス語は大学の時の第二外国語だったのでちょっとは知識があって新鮮さを感じなかった。アラビア語アラビア語圏が縁遠すぎていまいちやる気がわいてこなかった。

言葉をゼロから学ぶにあたって決めていたことは「音で学ぶ」ということだ。文字に頼らず、文法の教科書に睡眠へと誘われることなく、耳で聞いて、真似てしゃべって。独学でそれをどこまでできるのか。そんなテーマで取り組んでいる。

教材探しははじめから英語圏のものを物色した。これは、あちらの方が言葉を「使える」ようになるための教材が充実してるだろうという、英語学習の経験で抱いた印象によるものだ。もう一つには、英語「で」学ぶことで英語の訓練にもしてやろうという考えもある。そうしてアメリカのAmazonで教材を物色して見つけたのがこれ。

完全にオーディオCDのみ、テキストなしで中国語を教えるよ! というものだ。なるべく音だけで学ぶという、僕のテーマにぴったり当てはまるものだったので、すぐに日本のAmazonで注文した。ちなみにこれはもっと高価な教材のお試し版で、30レッスン中のはじめの8レッスンを抜粋して撒き餌として売っているものだ。これで試して気に入ったらフルバージョンを買ってね、というわけ。ただ、フルバージョンになると30000円ぐらいに値段が跳ね上がる。このお試し版をやってみてぼちぼち気に入ったので、どうしたものかと悩みつつAmazon.comの商品ページを見ていたら、コメントの中に「audible.comだったらもっと安く買えるぜ」という書き込みがあった。それでそのサイトを除いてみたところ、ひとつのオーディオブックと交換できる「クレジット」を最初に多量に購入するとオーディオブック一本あたり約千円で買えるらしい。Pimsleurの教材は5レッスンをひとつのオーディオブックとして販売されていたので、フルバージョン30レッスンは6000円程度になる。なんなんだろう、この値段の落差。この教材にはレベルが1,2,3とあって、それぞれ30レッスンある。これを全部CDで買うと90000円ほどになるのだが、オーディオブックで買うと最安で約18000円。劇的に安く買えちゃうのだけれど、オーディオブック版の欠点としてCDと比較すると音質が悪いというのがある。とは言えこの安さには抵抗できず、とりあえずレベル1だけ全部買って、今はレッスン20のあたりをやっている。

しばらくこの教材だけでどこまでやれるのか試してみたところ、100%音声だけではあまり効率がよろしくなさそうだと感じた。発音をうまくマネねることができないとフラストレーションがたまるのだが、音声教材だけではその解消のしようがないのだ。その問題を解消するために、中国語の発音を扱った本を一冊購入した。

これは日本語で書かれた本だが、中国語の音の種類と舌や唇の使い方を手早く把握するのには日本語のものの方が都合がよいと思ってこれを買った。中国語の音をアルファベットで表現するピンインもこの本で学んだ。ピンインを知っておくと、実際に聞こえた音と知識としての音を比較できるようになるし、これで中国語の辞書も引けるようになる。中国語の辞書はピンインで引く作りになっていて、理屈の上では音が正しく聞き取れればそのピンインがわかって、それを手がかりに辞書で意味を知ることができる。そう考えると、聞いて話すだけなら中国の漢字をあまり覚えなくても結構学べちゃうような気がしてきて、だいぶやる気がわいてきた。

ちなみに購入した辞書はこれ。

英語だと無駄に充実したものを買い求めてしまうのに、中国語だとこのビギナー向けの辞書でもすごく満足できるのはなんでだろうな。


当分の間は上のオーディオ教材、発音テキスト、辞書の3つだけでやっていくつもり。使う教材も極力減らすというのももう一つのテーマだ。中国語を学びはじめて今日で一ヶ月ちょっと経つが、今のところ何の苦痛もなく楽しんで学べてる。