428 ~封鎖された渋谷で~

久しぶりにサウンドノベルをプレーした。これ以前にやったサウンドノベルは記憶している限りスーパーファミコン版の弟切草だから、かれこれ15年以上ぶりぐらいか。本作のプロデューサーは中村光一さんで、弟切草も確かこの人の作品だったような気がする。

428 ~封鎖された渋谷で~(特典無し)

428 ~封鎖された渋谷で~(特典無し)

ストーリーを読み進めるとところどころで選択肢が現れ、その選択によってバッドエンドになってしまう。その場合は選択肢に戻って別の選択肢を選べば話が展開していく。話の筋が一つならシンプルすぎてなんじゃそりゃって放り投げるところだが、さすがにそうはなっていない。このゲームには主人公が複数人いて、それぞれのストーリーが並行して進行する。だれかの行動が別の人の話の進行に影響を与えるので、ある主人公のバッドエンドの原因が別の主人公の選択にあったりする。だれかがバッドエンドに陥らないように各主人公の行動を選ぶことで話が進行していき、ハッピーエンドへと彼らを導いていく。このゲームでいいなと思ったのは、バッドエンドがさほどバッドでもない点だ。主人公が死ぬようなバッドエンドもあるが、それはそれでハッピーじゃねぇかと思えるものや、ハッピーじゃないけどコミカルな描かれ方のものもある。むしろバッドエンドも見なきゃ損!ぐらいなものなので、選択肢でもバッドエンドを恐れてウンウン悩む必要もなく、ストレスなく楽しめた。
弟切草ではいろんな結末はあったけど、途中までさかのぼって別の選択肢を選び直すなんてことはできなかった。だから、別の結末を見たくてやり直して以前に見たのと同じ結末にたどり着いたら、泣く泣くはじめからやり直すしかなかった。それに比べるとタイムラインで好きなところに戻ってやり直せるこのゲームは楽なもんだと思ったが、冷静に考えると弟切草の作りがひどい。

ストーリーは「踊る大走査線」を「24」のような見せ方にしたものという感じかな。現代の東京を舞台にした事件が複数の人物の視点でパラレルに進行し、一時間分のストーリーを全主人公ががバッドエンドに陥らずに進めることができたら次の一時間分のストーリーに進むことができる。クリア後のおまけ要素もいろいろあるけど、それを見るにはクリア時にいろいろ条件を満たしておく必要がある。それらの条件を探すのが面倒だったので、ぼくはネットで攻略サイトを見ちゃいました…。

このゲームにケチをつけるとしたら、超強い少女というアニメのような設定が異物のように紛れ込んでいることと、とある中東の人と仲良しなことがこじつけがましいところぐらいか。まあ、誤差の範囲です。