On Dialog

On Dialogue (Routledge Classics)

On Dialogue (Routledge Classics)

物理学者のDavid Bohmのエッセイ集のようなもので、現代社会、といっても著者は1992年に亡くなった人なので20世紀後半のといったほうが正確かもしれないが、人と人とのコミュニケーションがうまく機能していない状況についての考察が書かれている。

お互いに深く理解し合うことがコミュニケーションの理想ではあっても、現実にはお互いに言い負かそうとしあうばかりでフラストレーションがたまる一方なのはなぜなのか。なにがコミュニケーションをそういう方向にしむけているのか。この本では、個人の頭の働き方、一対一の関係、グループでの話し合いといったいくつかのレベルで、経験的あるいは学問的な知見をもとに、コミュニケーションが相互理解でなく言い争いに向かう理由を探り、また、言い負かすことを目的とする「議論」ではなく相互理解を目的とした本当の「対話」というのがどういうものかを描き出している。