ウェブ進化論

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

なんだかはてなのお得様となりつつある今日この頃だが、今後の世界のありようを想像する助けになる本だと思って読んでみた。

あちら側|こちら側という話では、GoogleやAmazonなどのアメリカ企業が「あちら側」の世界構築にせっせと励んでいるのに対して日本の企業は「こちら側」に今も力を入れているということが書かれている。ガジェット好きとしては「こちら側」派にがんばってほしいとも思うけど、利用コストや普及コストの面ではあちら側の方が圧倒的に有利なんだろう。

ふとPaul Graham氏の主張を思い出す。といってもWebアプリケーションの方がプログラムにバグがあってもサーバのプログラムを修正するだけだから楽でしょ? という程度のもんですが。この人の主張ではこれに続いてサーバサイドのプログラムを書くなら好きな言語を使えるでしょ?だったらLisp使えよ、いいことだらけだよ、といった主張が続く。


というわけでGrahamさん的には「あちら側」の世界をつくるのにはLispがサイコー!らしいが、「あちら側」のスーパースターGoogleではPythonが使われているという話をどこかで読んだ。あ、Grahamさんの主張には「PythonLispだ」みたいなのがあったような・・・。確かにLispのコードからカッコを取り除いたらPythonのコードに似てくるが、プログラムを書いている時の気分としてはRubyの方がLispに近い。「すべてが式」か否かの違いがポイントやね。

このウェブ進化論という本にはGoogleの思想や運営についても書いてあって興味深かった。Googleについてはもっと詳しく書いた本もあると思うがまだ読んだことないので、Googleに勤めている友人の話を織り交ぜた話は新鮮だった。Googleというのは情報の秩序をつくるプロセスからなるべく人間を排除したいと考えている会社だという話で、何年か前に読んだインクスという会社の社長、山田眞次郎さんの「インクス流!」を連想した。

インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて

インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて


このインクスという会社が取り組んでいるのは生産プロセスから人間をなるべく排除することであり、これまで職人さんを必要とした工程を機械で置き換えるといった試みに取り組んでいるという話だった。この本を読んだときにも人間の完全排除に対する情熱の熱さに対して興奮と同時にちょっと恐怖も覚えた記憶がある。


あかん、話が脱線しまくった。