人はなぜ話すのか
- 作者: ロジャー・C.シャンク,Roger C. Schank,長尾確,長尾加寿恵
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1996/12
- メディア: 単行本
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人間の頭の中ってどうなってるんだろうかという疑問にわりと真っ正面から答えようとしている本。この本は「話をする」という知的な行為の裏にあるメカニズムを説明しようとするもので、その説明の背景のしかたはあからさまに人工知能風。著者がそもそも人工知能の研究をしていた人なので当然といえば当然だけど。
この本の主張を簡単に書くと
人間の頭の中にはたくさんの話が記憶されていて、状況に応じて適切な話を引っ張りだすことで会話が成り立っている
ということ。この説明のもとでは会話というのは、記憶の中にある話の検索と再生の応酬ということになる。人間をこのように機械的な対象として捉えるのを不愉快に感じる人も多いだろうけど、僕にはけっこう心地よかった。正しいとか間違っているとかじゃなく、メカニカルな説明は手で触っていじれる感じがして楽しいのだ。「じゃあ、会話のスキルを高めるにはXXXXをすればよさそうだ」なんて知恵というか妄想も湧いてくる。
話はそれるが、無口な人よりおしゃべりな人の方が賢そうに感じるし、統計を取ったらたぶんそういう傾向があるんじゃないかとも思う。なによりおしゃべりな人の方が楽しいわな。例外も多々あるけど。