Freakonomics
- 作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 単行本
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内容
経済学というのか社会学というのか、人間社会の実態を数値データから浮かび上がらせようとする(いちおう)経済学者の本。
- 学校の先生もインチキをする
- 不動産屋は物件を売りたい人の利益は最重要視しない
- 麻薬の売人組織の下っ端は貧乏
- 犯罪が減ったのは中絶が合法化されたから
- 子供の教育によいと考えて親があれこれやることには効果がない
といった、著者が研究を通して知見を読み物にまとめている。
思い込みを排除し、社会のありのままの姿を探り出そうとする著者の研究姿勢には共感が持てる。
研究のプロセス
- 数値データを入手する
- 仮説を立てる
- 仮説が正しいとすればデータにどういう傾向が現れるのか検討する
- アルゴリズムを適用して仮説が正しいかどうか検証しやすいようにデータを加工する
データはグループ分けされ、各グループの処理結果を比較して「ああでもない、こうでもない」と話を作る。この際どのようにグループ分けをすれば検証結果が妥当なものといえるのか注意深く設定しなければならない。こういうテクニックってカタログみたいなものになっているのだろうか、それとも毎回もっともらしいやり方を考案しているのだろうか。
その他
人の行動に影響を与えるのはインセンティブであり、それは次の3つに分類されるとのこと。
- 経済的インセンティブ
- 社会的インセンティブ
- 道徳的インセンティブ
罰金を貸すことで道徳的インセンティブが経済的インセンティブに切り替わってしまい、親が子供を迎えに来る際の遅刻が増えてしまった幼稚園の話はなるほどと思った。