政治を語るおじいさん

聖護院のからふね屋で飯食ってると,年配の男女が3つくらい離れたテーブルに座った。男性は白髪100%の痩せ型で,女性は長い髪でちょっと白髪まじり程度の痩せ型だった。

その男性のほうが大きい声でいろいろしゃべるもんで,ついそっちに注意がもっていかれた。話している内容は,はじめは「男性用トイレに入ったはずなのに,中に入ったらオバアサンが出てきてびっくりしたわ」なんてものだったが,どこからか政治の話に移った。

今,千葉で何の選挙か忘れたが選挙戦をやっていて,そこに小泉純一郎小沢一郎がそれぞれの党が支持する候補者の応援に出向いている。小泉純一郎が人が大勢集まる場所でパフォーマンスを繰り広げる一方で,小沢一郎は田舎のほうを地道に回っているという違いについて,その男性は,小沢一郎の方がうまい,昔田中角栄が支持を集めたのは田舎をあまねく回って支持を訴えたからであり,そのほうが票が集まる,と言った調子で民主党の勝利を予想していた。「はっきりいって今回は民主党が勝つ」と。

話の内容はともかくこのおじいさん,過剰に断定的な物言いとちょっと甲高い声が鼻についた。それで話を聞いているうちにだんだんイライラしてきた。で,その二人のほうを見てみると,しゃべり続ける男性に対して女性のほうは無表情でなんだかどうでもよさそうな顔をしている。この人もおじいさんの話には興味がないんだろうと思われた。というより,「男性が一方的にしゃべり,女性は適当に聞き流す」というスタイルがガッチリ確立されちゃってるようだった。

店を出ようと席を立つときにその二人のほうを見てみると,相変わらずしゃべり続けるおじいさんに対して女性は下を向いて手元のケータイをカチャカチャいじっていた。聞き手の完璧なる無関心にかまわずしゃべり続けるこのおじいさんって何なんだろう。ちょっと怖かった。なんちゅうか,スイッチが入ったときの田嶋陽子のよう。