次元をそろえる

中村正三郎さんのブログ(http://iiyu.asablo.jp/blog/)で経済学が科学かどうかという議論がなされている。

有名な経済学の教科書にある数式にある間違いが何年経っても直されないのは間違いを正す執念がないからだ、そんなもん科学と言えるか! と中村さんが書いたのを気に食わない人がコメントを寄せていて、それに対して中村さんがまた反論をしている。

その間違いとは、数式中の項の次元が合っていないというもの。また、その式の説明のとこでも「金額(円とかドルとか)」と「税率(無次元?)」という異なる次元の概念が同列で語られていたものだから、経済学者っていうのは次元の扱いすらまともにできないのかよ!しょっぼいなぁ〜、となったわけだ。「エコノミストなんて信用できる連中じゃないよ」って話がそもそもの発端で、それが経済学批判につながって、その例証が有名な教科書にある「数式の次元の不均一問題」。確かに物理学をちょこっとでもやっていれば「数式中の次元は揃えないとね」って意識は働くようになるが、それすらできてないから経済学は科学じゃないって主張もしょぼい。そもそも何が科学で何が科学でないかという問いを他人を交えて議論するのは、「科学」という言葉から連想するものが人によって大きく違うために宗教論争にしかならないと思う。

じゃあ、どうするのがベストだったのか考えてみたのだが、「この本のこの部分、間違っていませんか」と出版社に知らせばいいじゃん。訂正されるまで何度でも。いやいや、そもそもの目的は「エコノミストは信用できない」と主張することだっけか。それこそエコノミストの発言の記録を取り、経済指標やら企業の業績やらと突き合わせて、といった科学的な調査をしたらええやん、って話ですかね。