タイトルだけ見ると「縦割りあかんで」ぐらいの話かと思ったら、話は文化人類学者のものの見方から始まり、予想外に面白かった。
- 作者: ジリアンテット,Gillian Tett,土方奈美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/02/24
- メディア: 単行本
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人間はものごとを単純化するために対象を分類するが、社会が違えば分類方法も違う。 文化人類学者は異なる社会を比較することが日常となっていて、世の中にはいろんな分類方法があることを自覚していて、自分が所属する社会の分類方法ですら相対化して見るようになってしまう。 しかし多くの人は、自分の分類法が自分の所属する社会の分類法に影響を受けたものであることに無自覚で、その分類法が自然で当たり前と思い、疑うことすらしない。
組織を部門に分けるのは、組織を理解しやすくするために組織の人間を分類することである。 サイロ化(たこつぼ化)は部門間の連携が図られず、組織全体としてチグハグなことをやらかす状態を指す。 組織を部門に分けること自体は問題ではない。 それにより効率化されることもあるし、そもそも人間は分類して単純化しないとものごとを理解できない。
サイロ化する原因は、(意図的では無いにせよ)部門間の交流がほとんど無かったり、部門間で協力しあうことを阻むインセンティブ設計になっていたりなど。